伊予国（愛媛）で力匠としては初めて人間国宝となった高橋貞次の門人貞間の作です。

高橋貞次の代打ちは貞間の物が多く存在して師の作より優れたと書籍にも残されております。

弟子として撮影されている写真にはほぼ貞間が貞次の隣で居ることでも一番弟子として把握出来ます。

一般的に軍刀となると、戦国時代の方手打ちの小太刀を目標に作られているので、頃合の反りがついた刃長65cm位のものが多いですが、本品は刃長58cmと短めです。

これは戦闘機に載る搭乗員軍刀のために制作されたとみえ、非常に珍しいです。

また、銘にも希少性があり、太刀銘となっております。

作風は、綺麗に鍛錬された小板目肌に、華やかな沸出来の小刀を焼いております。丁子足は刃先に向けて長く伸びています。帽子は大丸に返ります。茎は勝手下りのヤスリ目で丁寧に仕上げております。

軍刀には関物の一部に鍛えていないスプリング刀が存在しますが、本刀は本鍛之の良作です。
・刃長58.7cm、反り1.6cm、穴一個、元幅31mm

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